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本庶 佑 副院長・特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞(2018年10月1日)

2018年10月01日

栄誉

 ノーベル財団(本部:スウェーデン)は、日本時間の10月1日(月)夕方、ノーベル生理学・医学賞を本庶 佑(ほんじょ たすく)高等研究院 副院長・特別教授に贈ると発表しました。
https://www.nobelprize.org
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2018/press-release/

研究概要

 本庶博士は、クラススイッチ組換えや体細胞超変異に必須の活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)の発見で広く知られています。AIDはワクチン接種によって起こる抗原の記憶を抗体遺伝子に刻む酵素です。1978年にDNA欠失の発見から始まるクラススイッチ組換えの基本的な概念的枠組みを確立しました。博士は、IL-4、IL-5、SDF-1、およびIL-2Rα鎖を含む免疫調節に関与する一連の主要分子を同定しました。また、Notchシグナル伝達標的としてのRBP-Jの同定によって発達生物学への大きな貢献が認められています。
 さらに博士は、免疫応答をエフェクター段階で負に制御するレセプターであるPD-1(プログラム細胞死1)を発見し、PD-1阻害が癌治療に寄与することを実証しました。抗PD-1癌免疫療法は、米国とEU、および日本で承認されています。この治療法は癌治療の革命であり、感染症におけるペニシリンと同等にみなされています。