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プロフィール:森 和俊

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森 和俊

副院長 / 特別教授

研究分野

分子生物学、細胞生物学

研究概要

受容体のような細胞膜タンパク質やそのリガンドのような分泌タンパク質は、細胞間コミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。これらが機能を発揮するために、リボソームでの合成後最初に遭遇するオルガネラ「小胞体」において、分子シャペロンやフォールディング酵素の介助を受けてそれぞれに固有の立体構造を形成します。しかしながら、様々な生理的・病的状況下で、このタンパク質品質管理機構に綻びが生じ、構造異常タンパク質が小胞体に蓄積する小胞体ストレスが発生します。全ての真核細胞には、このような異常事態に対しても速やかにかつ適切に対応する術「小胞体ストレス応答」が備わっています。このことは、タンパク質の高次構造形成が細胞・生体にとって極めて重要であることを如実に物語っています。森博士は出芽酵母および哺乳類細胞の小胞体ストレス応答の分子機構を解明し、その生理的意義並びに種々の疾患の発症・進展における役割を解析しています。

略歴

1981年 京都⼤学薬学部卒業
1983年 同⼤学院修⼠課程修了
1987年 京都⼤学薬学博⼠
1985年-1989年 岐⾩薬科⼤学助⼿
1989年-1993年 ⽶国テキサス⼤学博⼠後研究員
1993年-1996年 株式会社エイチ・エス・ピー研究所副主任研究員
1996年-1999年 株式会社エイチ・エス・ピー研究所主任研究員
1999年-2003年 京都⼤学⼤学院⽣命科学研究科助教授
2003年-2022年 京都⼤学⼤学院理学研究科教授
2022年-2024年 京都⼤学国際⾼等教育院教授(理学研究科併任)
2024年- 京都大学 高等研究院 特別教授
京都大学 高等研究院 副院長

主な受賞等

ワイリー賞(2005年)、⼤阪科学賞(2008年)、カナダガードナー国際賞(2009年)、紫綬褒章(2010年)、上原賞(2012年)、朝⽇賞(2014年)、アルバート・ラスカー基礎医学研究賞(2014年)、ショウ賞⽣命科学医学分野(2014年)、トムソン・ロイター引⽤栄誉賞(2015年)、京都⼤学孜孜賞(2015年)、恩賜賞・⽇本学⼠院賞(2016年)、ブレークスルー賞⽣命科学分野(2017年)、⽂化功労者(2018年)、安藤百福賞大賞(2018年)、慶應医学賞(2023年)、BBVA Foundation Frontiers of Knowledge Award (2023年)

主要論文

  1. A transmembrane protein with a cdc2+/CDC28-related kinase activity is required for signaling from the ER to the nucleus. K. Mori, W. Ma, M.-J. Gething, and J. Sambrook, Cell, 74, 743-756, 1993.
  2. Mammalian transcription factor ATF6 is synthesized as a transmembrane protein and activated by proteolysis in response to endoplasmic reticulum stress. K. Haze, H. Yoshida, H. Yanagi, T. Yura, and K. Mori, Mol. Biol. Cell, 10, 3787-3799, 1999.
  3. XBP1 mRNA is induced by ATF6 and spliced by IRE1 in response to ER stress to produce a highly active transcription factor. H. Yoshida, T. Matsui, A. Yamamoto, T. Okada, and K. Mori, Cell, 107, 881-891, 2001.
  4. Transcriptional induction of mammalian ER quality control proteins is mediated by single or combined action of ATF6α and XBP1. K. Yamamoto, T. Sato, T. Matsui, M. Sato, T. Okada, H. Yoshida, A. Harada and K. Mori, Dev. Cell, 13, 365-376, 2007.
  5. UPR Transducer BBF2H7 Allows Export of Type II Collagen in a Cargo- and Developmental Stage-Specific Manner. T. Ishikawa, T. Toyama, Y. Nakamura, K. Tamada, H. Shimizu, S. Ninagawa, T. Okada, Y. Kamei, T. Ishikawa-Fujiwara, T. Todo, E. Aoyama, M. Takigawa, A. Harada and K. Mori, J. Cell Biol., 216, 1761-1774, 2017.