記者会見の様子
森 重文 高等研究院長・特別教授の令和3年度文化勲章受章が決定しました。
森特別教授は、「数学、とりわけ代数幾何学の分野において、代数多様体の極小モデル理論である「森理論」を創造し、数理科学の広範な分野に大きな影響を与える顕著な業績を上げ、斯学の発展に多大な貢献をした」功績が認められ、受章者に選ばれました。
受章決定を受けて、高等研究院において記者会見を開きました。
受章決定の感想として、森特別教授は、「1990年にフィールズ賞を受賞した際は、自身の研究がどれくらい発展するかわからなかった。この30年で実用的なレベルまで発展し、代数幾何学の分野において極めて中心的な道具に進歩したことを見届けることができ、このたび受章することは非常に感慨深い。」と謝意を表しました。また、社会における数学の役割について、「いろいろな分野で数学者が活躍するようになった。高等研究院の研究拠点であるiCeMSとASHBiでも数学者が活躍している。社会の数学に対する期待が大きくなり、数学の役割や立場が変わった。」と述べました。
また、記者からの「こういう時に閃くなど、方法論やスタイルはあるか。」との問いに対し、「集中している時に閃くことはない。緊張感が途切れて美味しいものを食べたくなったり、ふと気が緩んだ時にアイデアが出てくる。」とのエピソードも語り、終始和やかな雰囲気で行われました。