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高等研究院 寄附研究部門が国際ウィンタースクール “Quantifying Dynamics of Life”を開催しました(2019年3月11日~20日)

2019年07月03日

ニュース

 寄附研究部門 医学物理・医工計測グローバル拠点は、部門長である田中求特任教授(ハイデルベルク大学教授)のリーダーシップのもと、分野横断型の国際ウィンタースクール「Quantifying Dynamics of Life」を、3月11日から20日にかけて高等研究院本館において開催しました。

 本スクールには、京都大学だけでなく、国内他大学(大阪大学、東京工業大学、東北大学、東京医科歯科大学)や海外の大学(ハイデルベルク大学・カールスルーエ工科大学)からも博士課程大学院生や博士研究員といった若手研究者が参加(36名、うち外国人19名)および聴講(11名、うち外国人6名)してくれました。参加者の専攻も化学や物理、医学や生物学に加え、数学や工学と非常に幅広く、International(国際的)かつ Interdisciplinary(学際的)なスクールとなりました。国内外で活躍する28名(うち外国人9名)の第一線の研究者に講義をお願いし、参加者に「生命動態を定量化する」という目標へ向かう様々なアプローチを肌で感じ、一流の研究者に直接質問・議論してもらうことを目的としました。

  • Lecture (Prof. A. Parikh)
  • Lecture (Prof. H. Suito)
  • Discussion(Lecture)

 講義とその後の議論に加えて、全ての参加者に自分の研究テーマについて口頭発表とポスター発表を行ってもらいました。専門が異なるオーディエンスに、自らの研究テーマの面白さやそこで得られた成果を、できるだけわかりやすく魅力的に伝えるにはどうするかを考える、通常の学会・研究会ではできないユニークな経験です。時には予定していた時間を大きくオーバーしてポスターの前で参加者同士が議論を続ける光景も見られました。

  • Discussion (Poster Session)
  • Discussion (Presentation by participants)

 さらに、京都で開催されるという地の利を存分に生かして、参加者が「日本文化を京都で学ぶ」ことができるよう、基礎日本語の講義や書道体験、さらに「もののあはれ」についての特別講義を、京都大学国際高等教育院(ILAS)の協力を得てプログラムの中に組み込みました。また週末には「日本文化を京都で経験する」をテーマに、和菓子作りの体験や座禅入門、日本酒の酒蔵見学などのソーシャルプログラムも実施され、参加者に大変好評を得ました。

  • Tour in and around the campus
  • Basic Japanese
  • Calligraphy Lesson
  • Visiting sake brewery
  • Making Japanese sweets
  • Zen meditation

 最終日には、国立天文台長・総合研究大学院大学学長を歴任されたのちJSPSボンオフィスの所長を務められた小平桂一教授に特別講義「A Half Century of My Astronomy」をお願いしました。ドイツ・キール大学で博士号を取られた時の研究テーマから、ハワイにすばる天文台を建設された時のエピソード、そして現在もドイツで若手研究者と共に取り組んでおられるテーマにいたるまで、国境や分野の壁を超えたスケールの大きな研究者としての歩みに触れたことは、参加した若手研究者に非常によい刺激となりました。

  • Special Lecture (Prof. K. Kodaira)
  • Farewell Party (Prof. N. Minato)
  • Farewell Party

 最終日の夕刻にはフェアウェルパーティーが開催され、京都大学プロボストである湊長博理事・副学長からスピーチをいただきました。参加者全員に田中教授から修了証書が手渡されたほか、優秀なプレゼンテーションや活発な議論を行った参加者には特別賞が授与されました。

  • Farewell Party (Certificate)
  • Farewell Party

 スクール終了後、参加者だけでなく講師の先生方からも、非常に楽しく刺激的なスクールであったとのフィードバックをいただきました。このような国や分野の壁を超えたスクールを次回は2021年に開催したいと計画しています。

  • Group Photo; March 11
  • Group Photo; March 13

 最後になりましたが、本スクールの開催において多大なご支援をいただいた公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団に感謝いたしますとともに、ハイデルベルク大学・カールスルーエ工科大学、またドイツ科学イノベーションフォーラムのご支援に心からお礼申し上げます。


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